信用ある専門学校を検索・資料請求できる進学情報サイト
認可校のみ掲載、職業実践専門課程、多数掲載中

文部科学大臣認定「職業実践専門課程」がスタート

全国専修学校各種学校総連合会の小林会長は、以前より日本における専門学校教育の振興に尽力されてきました。一方、「専門学校ナビ」は、サービス開始時より認可校に特化した「進学情報サイト」として情報を発信し続けてきました。若者に質の高い職業教育の機会を提供したいという想いは、「全国専修学校各種学校総連合会」も「専門学校ナビ」も同じであり、今回、特別インタビューが実現しました。

専門学校ナビ特別インタビュー
全国専修学校各種学校総連合会
小林 光俊 会長
学校法人敬心学園 理事長
小林 光俊 (こばやし みつとし)
昭和18年(1943年)生まれ。日本リハビリテーション専門学校、日本医学柔整鍼灸専門学校、臨床福祉専門学校、日本児童教育専門学校、日本福祉教育専門学校の5校を擁する学校法人敬心学園理事長、平成24年に全国専修学校各種学校総連合会会長に就任。現在、公益社団法人日本介護福祉養成施設協会会長も務める。米国サンフランシスコ州立大学客員教授、博士(学術)。

我が国が直面する3つの課題

本日は、お忙しいなかお時間を頂戴しありがとうございます。早速ですが、日本の教育環境の課題についてお聞かせいただけますでしょうか。
日本が直面する3つの課題
今、日本では経済発展と合わせて3つの課題が指摘されています。第一に「地域の活性化」、第二に「少子高齢化対策」第三に「グローバル対応」です。どれをとっても、質の高い人材の育成が重要であることは間違いありません。
なかでも重要なのは「職業教育の高等教育体系化」なのです。この分野で、日本は外国と比較して遅れていると言わざるを得ません。
進んでいるのはヨーロッパ諸国です。ドイツのマイスター制度をはじめフランスのグランゼコール、イギリスにはポリテクニクスといった職業教育を主体とする高等教育機関があって、そこで高度職業教育を修めると、学士号が与えられるのです。
また北欧のフィンランドには大学と同格のポリテクニック(高等職業専門学校)があり、修了者は国際共通性のある学士号、さらには修士号の取得も可能で、これがヨーロッパ各地で通用する「証明証」となっているのです。
なぜ、ヨーロッパでは地域を越えた高等教育が進んでいるのですか。
この背景には、1999年からEUが進めてきた高等教育システムの改革があります。現在世界47カ国でそれぞれの国で受けた教育内容を共通した基準に置き換え認定する取組み(ECVET)まで進んでいるのです。
さらに、各国個別の様々な資格を、ヨーロッパ共通の資格に翻訳する枠組み(EQF)もあり、これにより加盟国をまたがり有利な就職・転職が可能になるとともに、社会人の学び直しにも大いに役立っています。
アメリカでも、教育改革を重要な政策と位置づけ、若者の雇用促進につながる高等教育機関における職業教育を重視し、学ぶ学生を支援しています。その点日本は遅れていると言わざるを得ないのです。

文部科学省が認定した高等職業教育プログラム「職業実践専門課程」

日本でようやくスタートしたのが「職業実践専門課程」なのですね。
そうです。こういった世界の流れを背景に、国が認定する高等職業教育としてスタートしたのが「職業実践専門課程」なのです。「職業教育の意義」を高めるものとしてとても重要な制度です。
具体的にはどのような制度ですか。
「職業実践専門課程」の認定まで
「職業実践専門課程」の認定まで
専門学校が「職業実践専門課程」の認定を受けるプロセスをご紹介します。まず、認定を受けようと思う専門学校は、
・ 修業年限が2年以上
・ 企業等と連携体制を確保して授業科目等の教育課程を編成
・ 企業等と連携して、演習・実習等を実施
・ 総授業時間1700時間以上又は総単位数が62単位以上
・ 企業等と連携して、教員に対し、実務に関する研修を組織的に実施
・ 企業等と連携して、学校関係者評価と情報公開を実施
という要件を満たしている必要があります。
これらの要件を満たした専門学校の学科だけが、所属する都道府県知事等に申請を行うことが出来ます。申請を受けた都道府県知事等から文部科学大臣あてに推薦が行われ、認定要件を満たした学科を「文部科学大臣が認定」します。 「学生と企業と社会の連携」により、学生の実践力、就職環境が一層高まる仕組みになっています。
初年度は、約470校が認定を受けました。益々増えていく見通しで1,000校以上になるのではないでしょうか。
ところで、教育体系には大学などの学術教育体系(アカデミック・ライン)と職業教育体系(プロフェッショナル・ライン)があります。世界的視点で見ると、いつの時代にも「学術研究に向かない、興味を持てない若者」は半数以上存在すると言われています。 ヨーロッパでは、学術教育体系で学んだ「スキル」と、高度職業教育体系で学んだ「スキル」を同格に評価する構造があるのに対し、日本で高等教育機関といえばイコール(学術教育体系中心の)大学と見なされてきた結果「とりあえず大学へ」という流れが出来上がってきました。
たしかに日本ではドイツのマイスター制度のような高度職業教育の仕組みはなかったですね。
大学に入学はしたものの資質的、意欲的に大学教育に馴染めない若者たちが、在学中に将来の希望を見いだせず、結果就職活動もうまくいかず、卒業後非正規雇用に従事したりニートになったりしているのはよく知られた社会現象で、解決しなければならない問題です。 バブルのころは、企業が新入社員教育をする余裕があったのですが今はそんな時代ではありません。 だから自ら職業を学び、変えていくことができる人材、変化に対応できる人材が求められているのも事実です。
毎年、専門学校に大学卒業者が2万人進学しているというデータもあります。
そのとおりです。大学卒業者の専門学校進学者数は、毎年2万人を超えるようになりました。 特に東京や大阪の大都市圏においてその傾向は顕著です。たとえば、私ども学校法人敬心学園は保健医療福祉分野の専門学校を5校運営していますが、在校生の8割が大学卒や社会人です。 日本では学術教育体系で学んだ「スキル」と、高度職業教育体系で学んだ「スキル」を同格のものとして構築されてこなかったこと、さらにその「評価基準」も明確ではなかったことが若者の将来にある種の歪みを生み出してしまってきた結果が今の状況です。
新卒者の就職ミスマッチや若者の離職率の高さを重視した国が本気になったということでしょうか。
もっと大きな視点です。日本再生、地方創生ができるか否かの分岐点と言っても過言ではありません。 経済成長をするためには、人材の活性化や生産性の向上がなければ不可能なのです。 専門学校の特色として、地域密着というのがあります。地元進学をして地元に就職という流れです。 特に地方の高校では本人はもちろん高校の先生や保護者の方も地元進学を希望する傾向が増えています。 高度な職業教育を受けた人材が地元に残る、いうなれば人材の地産地消です。これは地方創生のカギを握っています。地方創生はイコール日本再生でもあるのです。

日本が推進する「職業教育による中核的専門人材」の育成のカギ

世界が取り組んでいる「職業教育の高度化」を専門学校が担うと。
今、日本の専門学校にはアジア諸国を中心に多くの留学生が学んでいます。留学生を送り出す国が年々増えるとともに、現地において日本の専門学校そのものを展開してほしいという声も上がっているほどです。 専門学校で学んだ留学生が日本で就職する環境も整備し、また彼らが帰国した際、日本で学んだスキルを生かし国の発展に貢献することで、相互協力関係はさらに高まることは間違いありません。その意味では、日本はアジアの高度職業教育の中心であり、まさにHUB(ハブ)機能を担うにふさわしい存在と言えるのではないでしょうか。職業教育を中心としたグローバル化です。 先ほど、大学卒業者の専門学校進学者数は毎年2万人を超えるようになったという話が出ましたが、大学進学後に本来やりたかったことを再発見し中途退学されて専門学校に入学した方は含まれておりません。 また、専門学校の学科によって大学卒業者を対象とした1年制もありますが、その数字も含まれていません。だから、高校卒業時にミスマッチを少なくし、学術教育体系で学んだ「スキル」と、高度職業教育体系で学んだ「スキル」をヨーロッパの様に国際的に開かれたものとして、同格に評価する制度整備が急務なのです。

教育給付金の拡大が決定!学費の最大6割を厚生労働省が負担!

専門学校に社会人の方が進学しているケースも増えているようです。
そうですね、社会人の再就職に専門学校が大きな役割を果たしているのは事実です。先ほども触れましたが、私たちの学園では在校生の8割が大学卒か社会人の方です。皆さん学び直しで資格を取得し再出発しています。 今、国が掲げている再チャレンジができる社会の実現を私たちはすでに実践しているんです。さらに、2014年10月から教育訓練給付金の拡大が決定したので、社会人から専門学校・大学院に行く方にとっては朗報です。再就職、転職、キャリアアップを考えたとき新しい資格取得に対して厚生労働省が資格取得にかかる費用を6割(年48万円)まで補助することになったのです。これは魅力的な制度だと思います。多くの方に知っていただき活用してもらいたいですね。
今が、本当に大きな転換期なのですね。
高等教育機関の完全複線化
まさにシステムチェンジです。大きな視点で制度を変えて速やかに実施する必要があるのです。教育訓練給付金は、転職者や非正規労働者が専門的な技術を学び、安定した仕事を見つけたり、社会人が専門職を目指し学び直しする機会を増やすのが目的で、より多くの方にチャンスが広がるものと期待しています。幅広くいろいろなスタイルが存在する、まさにダイバーシティ(多様性)そのものではないでしょうか。 再チャレンジ社会の実現に向けて専門学校への期待はさらに高まっているということですね。
高等教育機関の完全複線化
学術に向かない若者が夢と希望を持てるような職業教育機関として、学術教育体系と職業教育体系の完全複線化を推進していかなければなりません。「職業実践専門課程」をベースに「職業学位(プロフェッショナル・ディグリー)の創設」、さらに「国際的な質保証・認定制度の確立」など早急に実現することが求められます。 そのためには、職業教育を学んだものが国際社会で通用し評価されるために、ダブルディグリー制度(学術学位:アカデミックディグリー+職業学位:プロフェッショナルディグリー)を早急に創設し、学ぶ学生の学校種を問わず実践力を中心に等しく評価することです。

学びたい個性はいろいろ

最後に「専門学校ナビ」をご覧になっている高校生、高校の先生にメッセージをいただけますでしょうか。
学生の皆さまには、本当にやりたいことを主体的に見つけて真っ直ぐに向かっていって下さい。学びたいという個性はいろいろあってかまわないのです。高校の先生には生徒の適性に応じた進路指導をしていただければと思います。 今、社会が求めているのは中核的専門人材です。学術教育体系(アカデミック・ライン)と職業教育体系(プロフェッショナル・ライン)の双方でそれは求められています。その一翼を担うのが専門学校であり、「職業実践専門課程」はそのフロントランナーだと考えています。 教育とは、一人ひとりの志を育み、希望を持たせ、能力を引き出し育むことです。高度職業教育を通じて社会で活躍できる中核人材を輩出していくことが、私たち教育機関の使命です。その結果、国民の付加価値を上げ、高度成長につながり、日本再生、地方創生を支えていくことに繋がります。 皆さんも「専門学校ナビ」を通じて、各方面に情報発信を続けて下さい。
ご期待にお応えできるよう取り組んでまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました。